広島生まれ。大手メーカー勤務を11年。
たのしくゆるい日常に飽きて上京し、
セツモードセミナーに入学したのは1995年秋のことだった。

水彩で人物を描くのに行き詰まりを感じはじめていたころ、
故長沢節先生とのスケッチ旅行でヨーロッパを訪れた。
イタリアとフランスの鄙びた漁港をめぐる日々の中で、
風景を描くことのおもしろさを初めて知る。
人物画では一度も誉めてくれなかったセツ先生が、
風景画には「いい絵だね。この方向で行きなさい」と声をかけてくれた。

その日から、独自のランドスケープ世界を追い求める日がはじまった。
福井真一イラストレーション教室を経て、1998年にイラストレーターとしての活動を開始。
奥行きのないフラットな空間を、
柔らかでクリーミーなフォルムが包み込む不思議なアートワークは、大きな注目を集めつつある。

そのデザインは、穏やかさの陰にひそむ不安と狂気を浮かび上がらせる。
眺めていると、地球ではないどこか遠くの惑星の風景に吸い込まれていくように――。
パターンに徹底的にこだわり続ける作品群は、
無機質なまでの明るさに覆われる21世紀の日本を、
そのままに描き出そうとしているかのようでもある。